
奇跡のように出会えた貴重な人たちのお心の中に、どの位、思い出が残せるかなと思いながら、いつもこの仕事しています。
Q) 働く面からみて、海外と日本の違いは、どんなところあると思いますか?
そうですね……。
感情を交えないですよ、仕事に情とか持ち込まないですね。ここ間違っているから、こうしてくれる?って淡々としている。
日本だと怒る方も怒られたほうも、いつまでもイライラしていたり、良き悪きにして情が絡む。
こちらは、感情が挟まないから枠組みだけで、トントンと進む。だから、非常に話が早い。例え、意見の違いで言い争っても、感情の尾が引かない、急に視点を変えられる。そういうことが良くありますね。
Q) そうですね、会議で激しく意見交換をしても、ランチになったらパッと切り替えて誘いますね。おっしゃるように感情を入れ込まない?!
言葉の文化の違いだと思うです。ボキャブラリーが少ないのもあるかなと思います。
感情の語彙が日本語は多くって、また、すぐに感情を言葉に直すのですよね。だから記憶として残ってしまう。
彼ら(シンガポール人)は、言葉に直さない。だから、余計な感情を入れ込まないんですね。感じても、それを言葉にしない。はじめは、恍けているのかなと思ったんだけど、違うの、(言い争ったこと)忘れているの。
本当に覚えてない。(笑)
これは凄いと思って、見習いたいと思って考えたんです。(感情を)言葉にしないようにすると忘れるんです。記憶って、引っかかりがないと思い出せないんです。あの時、雪降って寒かったとかね。
Q) これから海外に出たいと思っている次世代に伝えたいことは、どんな事がありますが?
もし今、これを読まれる方が中高校生で、将来のことが霧のように見えないと思っていたら、4年生の大学を出ることです。大学を出ないと海外での就職は難しいと思います。今は考えてないとしても、未来の選択として、イザ海外に行きたいと思ったときに、4年生の大学卒はビザ取得には大事です。
大学になぜ行くのかわからないという人は、ネットワーク作りだから。社会に出てからそのネットワークが、とても大事になってくると思います。特に海外だと、同じ「県」とか「大学」というだけでネットワークが強まりますよね。こういった繋がりは、力になりますね。
可能性を残すという意味でも、大学は出た方がいいと思います。
Q)美佐さんにとってのH SEEDS(人生の種)は何ですか?
愛です。
私の人生のテーマだと思っているんですけど、それを学ぶために生きていると思っています。
ハッとする瞬間ってあるじゃないですか?例えば、バスの中でパンフレットを配っていて、無意識に次々に渡している時に、両手で受取って“ありがとう”という人がいて、その瞬間に、ふわっと気持ちがよくなる。ふとした笑顔や、突然の言葉に、一瞬にして癒されることがある。愛に気が付くんですね。
そういう一瞬を大事にして行きたいですね。そして私も、こういう一瞬を繫いで行きたい「愛の連鎖」ですね。ほんの少しの事で、人って救われるっていうか、気分が変わったり、人っていいなって思います。
些細なことで、人ってこんなに幸せになれるってこと、私も何度も経験しているんで。愛、繋いで行きたいですね
私、空港へ向う帰りのバスの中で、いつも言うんですね。今この地球で71億人以上の人が生活しているけれども、同じ時代を生きていても、その殆どの人には会うことは出来ないんですね。でも、ご縁があって私たち出会うことが出来ました。
そうやって奇跡のように出会えた、ほんの少しの貴重な人たちのお心の中に、どの位思い出が残せるかなと思いながら、いつもこの仕事していますってお話するんです。
ご縁って面白いなと思います。
シンガポールに来て何か変わったり、気付けたり、たったひとつでもいいので、これを得たとか何かのヒントのようなものでもあれば、繫いだものがあったなと思えます。ロウソクの炎を分け合うように、人から人へ、いつかそれが大きな輝きとなる。それが夢ですかね。
安田美佐さんのご活動
シンガポール観光局公認ライセンスガイド/ツアーコーディネーター
観光、視察、ゴルフ、車、バス等のアレンジ
お問い合わせ:misa.singa@gmail.com
インタビューを終えて思う事☆
取材をさせて頂いたところが、ブギスというエリアで、アラブ、中華、マレーと様々な文化がギューッと混ざった町。
丁度、ビルを出たところの近くに、旧日本人学校が跡地があって、ブギスの辺りは、多くの日本人が住んでいたエリアだと教えてくれました。
この10年、私はどんなことを観ていたのだろうかと改めて問いました。
観ているものが、楽しい、つまらないのではなくそれを観る、自分の心。その世界観が、異文化間、世代間を繋ぐものなのですね。安田美佐さんのツアーに参加したくなりました。
最後に質問です。
「何を未来へ残していきたいですか?」